「ソフトウェア見積り」の5章「見積りに影響するもの」の内容をまとめます。
本の中で20以上の要因が紹介されていますが、このブログでは私が特に重要だと思った部分だけ書きます。
気になった方は本を手に取ってみてください。
前の「4章 正確な見積りの価値」のまとめはこちら。
次の「6章 見積り技法入門」のまとめはこちら。
この記事の内容
1部「見積りの考え方」
5章「見積りに影響するもの」
プロジェクトの規模
プロジェクトが大きいほど、見積りは難しくなります。
プロジェクトの規模が大きくなるにつれて、見積りの不正確さ、工数は指数関数的に大きくなり、生産性は下がっていきます。
関係者が増える事でコミュニケーションが複雑になっていく為です。
規模が大きく見積りが難しい場合、見積りツールを使う事が推奨されています。
「ソフトウェア見積り」ではConstrux Estimateというツールが紹介されています。

日本国内で使えるかよく分からないので、ツールの選定が必要になりそうですね。
ソフトウェアの種類
ソフトウェアの種類とはつまり「社内システム」「一般公開するWebサービス」「業務システム」などの種別のこと。
この種類によって見積り工数が変わってきます。
「ソフトウエア」見積りではこのソフトウェアの種類と規模ごとの人月のリストが載っています。
自分が関わるプロジェクトがどのぐらいの工数になるのか。他の種類と比べてどんな差があるのか参考にしましょう。
関わるプロジェクトについて自分の会社に過去のデータがあるなら、過去データを使うのが最も参考になります。
過去データの活用については8章の「補正と過去データ」に詳しく書かれています。
人的要因
見積りやプロジェクトの成功に影響する人的要因とは以下のものです。
- 要求分析のスキル
- プログラマーのスキル
- 離職率
- 業務領域の経験
- 言語とツールの経験
- プラットフォームの経験
- チームの結束
これらの要因によって、個数は10倍~20倍の差が生まれると言われています。
見積りする時、実際に誰が作業するのか分かっている事が重要なポイントになってきます。
プログラミング言語
プロジェクトで使用するプログラミング言語が生産性に影響します。
以下の事が言われています。
CよりもJava等を使った方が効率が良いです
言語に備わっているツールやライブラリが豊富だと効率が良い
コンパイル言語よりインタプリタのほうが効率が良い
その他の要素
プロジェクトに影響を与える要素はまだまだあります。
「ソフトウェア見積り」にはプロジェクト規模による違い、影響度の違いがリストとして掲載されています。
その一部配下のようなものです。
- データベースの規模
- 再利用を考慮した設計
- ドキュメント化の程度
- ソフトウェアの信頼性
- プロセスの成熟度
- …等
少し意外ですが「再利用を考慮した設計」はコストが高いうえに失敗する可能性が高いそうです。
プロジェクト規模の影響を受けやすい要素
COCOMOⅡによると、プロジェクト規模により大きな差が出る要素がいくつかあります。
その中でも「個人の能力」が重要になります。
小さい組織(プロジェクト)ほど個人の能力が重要になり、
規模が大きくなると開発プロセスやマネジメントが重要になります。
自分の組織の特性を理解したうえで見積をしましょう。
その他の情報源
「ソフトウェア見積り」の5章では以下の本が紹介されています。
5章「見積りに影響するもの」のまとめはここまで。
前の「4章 見積り誤差はなぜ起きる?」のまとめはこちら。
次の「6章 見積り技法入門」のまとめはこちら。
見積りが上手くなりたい方は読んでみてください。
ちなみにこの本を書いたのはスティーブ・マコネルという人ですが、この人の書いた「コードコンプリート」もかなり好きな本で、おすすめです。
ページ数は多いですが、分かりやすく書かれていて面白い本です。
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