「ソフトウェア見積り」の7章「数えて、計算して、判断する」の内容をまとめます。
ポイントは「数える」が最も正確で、「判断する」が最悪に不正確な見積りだという事ですね。
前の「6章 見積り技法入門」のまとめはこちら。
2部「見積り技法の基礎」
7章「数えて、計算して、判断する」
数える
見積りをするとき、数えられる物があるなら数えましょう。
それが最も正確です。数えられる物とは以下のようなものです。
- 要求の数
- 機能の数
- ユースケース
- ストーリー
- ファンクションポイント
- 変更要求
- Webページ
- ダイアログボックス
- データベース、テーブル、カラム、レコード数
- 計算する
これらのうち、何から数えるべきか?
何を数えるか?
何を数えるかは、より簡単に数えられて、効果の高いものを選びましょう。
以下のような条件に当てはまるものを優先して数えます。
- 見積りに与える影響が大きいもの。→「5章 見積りに影響するもの」中で挙がったプロジェクトの規模に関連するもの
- 数が多いもの→数えられる対象が少ないと統計的な意味が薄れます。20以上は数えられる物が良い
- 今と似ているプロジェクトのもの→過去のデータを利用する時は、似たプロジェクトから数えられる物を探す
- 簡単に数えられるもの→ファンクションポイントは算出が難しいので、より簡単なオブジェクトポイントを検討する
計算する
数えた物から計算することで、有益なデータになります。
その例は以下です。
- 要求1件あたりの平均作業時間
- 機能1つあたりの平均作業時間
- Webページ1ページあたりの平均工数
- データベースのテーブル1つあたりの関連作業の平均工数
- クラス1つあたりの平均テスト時間
「ソフトウェア見積り」の本を見れば完全なリストが載っているので、参考にしたい方は本を参照してください。
重要なのは、「数えて、計算したもの」には人間の判断が含まれていないという事です。
2章 見積り能力のチェックであったように、人の判断による見積りはとても不正確なので、判断しない事が最良です。
判断する
書いてきたように、人の判断はアテになりません。それが専門家による判断だとしても。
その他の情報源
「ソフトウェア見積り」の7章では以下の本が紹介されています。
7章「数えて、計算して、判断する」のまとめはここまで。
前の「6章 見積り技法入門」のまとめはこちら。
見積りが上手くなりたい方は読んでみてください。
ちなみにこの本を書いたのはスティーブ・マコネルという人ですが、この人の書いた「コードコンプリート」もかなり好きな本で、おすすめです。
ページ数は多いですが、分かりやすく書かれていて面白い本です。
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